009 飾る絵
溜め込んでいたリソグラフの入稿を一気に済ませた。4種の本刷りと8種の試し刷り。リソは色をかさねたときの具合が予測できないので、試し刷りやカラーチャートを頼まないといけない。元絵作成、色確定→カラーチャート注文→原稿作成、試し刷り注文→原稿調整、本刷り注文→完成、という流れになる。「→」の度に発注、発送で期間があくため、おもったより完成までに時間がかかる。手に入れたチャートの種類が増えてきたので、そろそろチャート注文をスキップできないかと考えている。
つくっているリソグラフはおうちに飾ってもらえる絵として制作している。リソの色が綺麗なのでついついカラフルなラインナップになってしまい、インテリアとしてはどうなんだろうか。自分の好みはもっとグレートーンでしれっとした画面なのだが、描くのはなんだかむずかしい。描きやすい絵と好きな絵はなかなか重ならないし、なにかを参考にするとありきたりな感じがしてわざわざ作る気が失せてしまう。絵を描くには理想があったほうがラクだ。理想を追い求めるという意味ではなく、理想があるからスラスラと描ける絵というのがあると思う。そのためには絵の問題を考えるより、まずインテリアをよく知ることのほうが大事かもしれない。
そもそも家に絵を飾る習慣が日本にはほとんどない。僕も家に飾りたいなと思いながらもずっとやらず、リソグラフをやるとなってからポスターなどを買いあつめて飾るようになった。家に絵を飾るのはむずかしい。ギャラリーのような絵をみるための空間にちゃんと並べるのは経験があるけど、家は絵をみるための場所ではない。色が合わないとテイストを損ねるし、かといって地味すぎると飾った甲斐がない。慣れてくるとわざわざ見るということはなく、視界の端にひっかかるとちょっとうれしいかんじ。家具や道具ならつかうたびに「買ってよかったなあ」と思えるものはいい買い物だと思うけど、絵は道具ではないうえに観葉植物みたいに世話がいるわけでもないので、定期的に判断するタイミングがなかなかない。こうなってくると、装飾的な機能よりも「なんか気になってよく見ちゃう」もののほうがインテリアというか、趣味の買い物としては真っ当な気がしてくる。それってつまり(広義の)アートなのでは…。なんだかよくわからないところに戻ってしまった気がする。
今回入稿したものはどちらもサイズが小さく、2Lとハガキサイズ。今後のイベント出展を見据えて、手軽に買ってもらいやすいかなと思って用意した。(WEBSHOPにも出します)でも「なんか気になってよく見ちゃう」ものとしての強さでいえば、やっぱり大きい方が見応えがある。大きい絵も買ってほしい。まだ最大サイズはA4だけど。リソグラフはA3まで刷れるので、来年までには大きいものも準備しようと思っている。
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