007 サラダ生活

京都の自宅では両親とくらしていることもあり、自炊はかなり久しぶり。なので日々の負担をへらすためメニュー縛りをする。メニュー縛りというのはつくる分野やレシピ本などを「これ!」と決めてしまうことで、それ以外の選択肢を封殺し脳を迷わせないテクニックである。今回はサラダにしようと思う。


というのも金沢、というかキタイッサカにいると京都にいる時よりもあきらかに白米と肉をたくさん食べている。僕は少食なのでダイエット的な懸念はないのだけど、少食ゆえに栄養バランスがメニューの偏りに依存している。野菜が足りない。僕は肉より野菜のほうが好きなのでほんとうは野菜中心にしたいのだが、野菜というのはおいしくたべるためにはそこそこ手間がかかる。うまいものを食いたいだけなら肉を焼くのが一番早い。そして怠惰は愉悦に勝る。というわけで「サラダ縛り」という自分ルールが一番都合が良いのだ。


そうはいってもサラダというのは、ちゃんと考え出すとかなりめんどくさい。おそらく何も考えずにお気に入りのドレッシングをぶっかけるのが最適解だろう。けれど僕は市販のドレッシングが好きではないので、味付けも自分で考えなくてはいけない。せっかくなので巷のおしゃれサラダレシピ本などを読んでみるも、凝りすぎててとうてい毎日つくれる気がしない。しょうがないので、まずは塩、酢、油(以上)にとどめて、具材を工夫する。


巷のレシピ本には「いろんな具材を入れましょう」と書かれている。いろんなとは、野菜以外にも肉とか卵とか豆とかナッツとかだ。野菜だけでもたせるのはやはりむずかしいらしい。食べごたえという点では、野菜は葉物と根菜と具っぽいものを1、2種類ずつ、保存の効くナッツはとりあえずクルミで。肉を入れるのはなんか負けた気がするので、サラミに留めておく。ときどきは硬質チーズをけずりかけるのもよい。というわけでそんなかんじのをつくって食べた。


味はまあおいしい。サラミとチーズがしょっぱいので塩加減がむずかしい。トマトの偉大さがよくわかる。ラディッシュがうまい。クルミは意外と苦い。お皿に山盛りもったのでお腹は満足。だがやはり食いごたえは薄い。葉っぱがおおいかもしれない。具になる野菜ももっとほしい。けどやはり、肉か、肉を入れるべきか。サラダに入れるかどうかは別として、肉という具はあったほうがよい気がする。もちろん工夫すればなんとでもなるだろうけど、工夫するだけのスキルと余裕はそんなにない。次回はおとなしく肉を添えてみようと思う。