002 金沢移住

先月から金沢に移住しはじめている。京都の自宅にはちょくちょく帰るので半移住っぽいかんじではあるが。 2 : 8 くらいの時間比率でしばらく金沢にいようと思う。


大学が金沢美術工芸大学というところだったので、そこから金沢にはずいぶん馴染みがある。大学時代の友人や先輩後輩が居残っているので、会社で出会った友人を除くとほぼここにしか知り合いがいないような状態。卒業後もなんやかんや出入りしていて、今回ついに出戻りすることになった。


金沢の住居について説明しなくてはいけない。ここは通称・キタイッサカ(北石坂)と呼ばれているシェアハウスである。僕はここの3階、というか屋根裏部屋を借りている。同居人は陶芸家2名(男)、アートディレクター1名(女)。一階はほぼ土間敷きになっており「キタイッサカの土間」と呼んでイベント的なことも時々やる。イベントといってもなにか目的や志があるものでもないので、知人友人界隈の井戸端的なスポットとして一目置かれている、ように思う。


僕は大学時代にも同級生と同居していたので、人と一緒に住むのはわりと慣れている方ながら、ここはそれ以上のなんともいえない開放感がある。同居人2名とはかつてインド旅行をしたこともあり、そういう「なんかいいかげん」でゆったりしたイメージを引きずったまま過ごせている。土間もとてもいい。家を建てるなら玄関入ってすぐ土間リビングにしたいと思っているくらい土間はいい。


場所は片町という金沢メインの繁華街へ徒歩5分圏内の好立地だけど、片町にいく用事は少ない。地方都市なので車移動が基本、そして金沢はなぜかお店の密度が異様に高い。とくに駐車場のある飲食店の数が京都なんかとは比べられないくらいある気がする。外食文化が盛んなのかもしれない。移住したてなので、最近はニトリとか無印とかホームセンターばかり行っているが、車で20分圏内に2軒くらいあるので週1で通っている。


具体的になにかをやるために金沢に来たわけではないが、友人づたいに話が広がるかんじはやっぱりある。同居人が陶芸家なのでそろそろ陶芸をやってみようと思っていたり、知り合う人びとがだいたい美術関係者なのでふだん話しにくい制作話もできる。このかんじはほぼ大学生に戻ったようなものだけど、無駄に歳をとっているわけでもないので、いまだからできることはものすごく多い。京都の自宅は京都といいつつ端っこの田舎で、日々の変化がインターネットに依存する感じがあったが、インターネットは他人の動きばかり早くてしんどい気持ちがあった。知り合いが頑張って動いている様子がみられて、そこに自分が手を出せる環境というのはそれだけで健全なかんじがしている。